釣れない時に読むマゴチの雑学

マゴチ 知識

仙南サーフでマゴチ(真鯒)釣りが大好きな筆者ですが、マゴチのことをあまり知らなかったので、マゴチにまつわることをいろいろと調べてみました。

この記事は、今後もマゴチの新しい情報を仕入れた際に随時更新しようと思います。

マゴチの生態

240617 17マゴチ

マゴチは、沿岸の水深約50~100mまでの砂泥地に生息しています。

海底の砂底に腹を着けて生活する魚で、あまり動き回らずに平たい体と褐色の体色で砂底に擬態し、敵や獲物の目をあざむきます。

砂底に浅く潜ることができるので、ぱっと見ただけでは砂底と見分けがつかないほど擬態します。

眼の虹彩皮膜(こうさいひまく)は、目立ちやすい眼の存在をカモフラージュするためと考えられています。

雄雌つがいでいることが多いです。

産卵期

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マゴチは、4~7月に海岸近くや河口などの汽水域に寄ってきて、浅場の砂場で産卵します。

卵は、直径0.9㎜前後の球形の分離浮性卵で、25℃前後の水温では24時間で1.8㎜ほどの稚魚が孵化すると言われています。

幼年期

生後1年程度までの幼年期は、比較的穏やかな内湾や入り江などで過ごします。

生まれてから生後2年程度は全てがオスで、体長が40cmを超えるとメスに転換することが知られていたそうですが、近年ではマゴチは性転換しないという説が有力のようです。

次回マゴチが釣れた歳に、体長によって本当にそうなのか、確かめるのが楽しみです。

生後1年以降

幼年期を終えたマゴチは、4~10月には海岸近くや河口などの汽水域である浅場で過ごしますが、冬は深場へと移動します。

低水温に強い大型のマゴチは、冬でも浅場にいる場合もあります。

成長速度

マゴチは、1年で体長が13cm、2年で23cm、3年で32cm、5年で45cm、7年で54cm程度と言われております。

コチ科の魚類は、雄性先熟型の性転換を行うことが知られており、2歳くらいまではオスで、全長50㎝を超えるとすべてメスになると言われていました。

しかし、近年の研究では、オスは体長が40~50cm程度で止まり、性転換せずにそれ以上大きくならず、メスは、70cm以上まで成長するという、性転換しない説が有力のようです。

大きなマゴチが釣れたら必ず卵が入っていましたので、不思議に思っていました。

分類学的な研究はあまり進んでなく、生態学的にはまだまだ謎が多いようです。

マゴチは、体長が最大で70cm以上にもなるそうですが、不明な部分も多いようです。

日本記録は、今年2023年3月に沖縄でエサ釣りで釣れた78.7cmが最大のようです。

寿命

マゴチの寿命は2~3年と推定している人もいれば、5~10年程度という人もいて、あまり知られていないようです。

成長速度から見ると、7年で54cm、最長記録は78.7cmなので、8~10年といったところでしょうかね。

生息エリア

マゴチは暖水性の魚で、世界的には西太平洋からインド洋の温帯や熱帯域まで広く分布しています。

日本では、日本海側は山形県以南、太平洋側は宮城県以南に分布しているようですが、青森県、岩手県、秋田県でも発見されるケースもあるようです。

食べ物

食性は肉食性で、カニ、エビ、シャコ、小型のタコやイカ、ハゼ、キス、メゴチなどを大きな口で捕食します。

天敵

天敵は、サメ、エイ、ヒラメなどですが、鳥なんかにも狙われるようです。

一番の天敵は、アングラーなのかもしれませんね。

行動パターン

4~10月には海岸近くや河口などの汽水域である浅場で過ごしますが、冬は深場へと移動しますが、一部は浅場に残るマゴチもいるようです。

一日単位でみると、マゴチはあまり泳ぎが得意ではないので、あまり移動しないようです。

この行動パターンを見ると、サーフからルアーでマゴチを狙う際は、秋から冬の季節で、朝マズメか夕マズメがいいようですね。

体の色

マゴチの身体の色は、基本的には茶褐色ですが、体の色を変化させることができる魚で、外敵やベイトから身を隠す性質があります。

身体には小さな白い点が体中に見られ、胴~尾部には黒いシマ模様も見られ、この模様も周りの環境に合わせて変化させることが可能です。

背びれと胸びれ、腹びれは薄い褐色の半透明で、それらには褐色の点が連なったスジのような模様が見られ、尾びれはウチワのような丸い形で黒い大きな斑点模様があります。

雑学

240617 13仙南サーフのマゴチ

マゴチが県魚の都道府県

マゴチを県魚として制定していた都道府県は、ありませんでした。

マゴチの漁獲量

マゴチの漁獲量は、各地域では数字があるようですが、全国的には統計がありませんでした。

東京都中央卸売市場の「市場統計情報」によれば、2020年の年間取引量は約115.8トンになるそうですが、ヒラメと比較するととても少ないようです。

浮袋が無い

ほどんどの魚には浮袋があり浮力を調整していますが、マゴチは、ヒラメやマグロやサメと同様に浮袋がありません。

浮袋がないので、水深5m程度から一気に50m以上も潜ることが可能ですが、ヒラメと違って泳ぎはあまり得意ではなく、常に海底に潜んで近くにくるベイトを狙っているようです。

学名と分類

学名は、Platycephalus sp.2であり、分類は、動物界脊索動物門脊椎動物亜門条鰭綱カサゴ目コチ科コチ属マゴチ種です。

マゴチの仲間

マゴチの仲間は、メゴチ、ワニゴチ、オニゴチ、イネゴチ、アカバゴチ、ウスバゴチ、アサネゴチなどがおり、10種類程度が日本に棲息しています。

名前の由来

コチ(鯒)の名前の由来はいくつかの説があります。

・コチの体形が昔の公家などが正装した時に手に持つ細長い忽(こつ)に似ており、それが訛った。

・骨が硬いことから「骨(こつ)」がコチに変化した。

・漢字の「鯒」は、コチがエサを砂中から飛び跳ねて捕食するということから、魚編に「踊」を組み合わせた。

・鋭いトゲを持っていることから、魚編に「痛」を組み合わせた。

地方名

地方名は、イソゴチ、ガラゴチ、クチヌイユ、クロゴチ、ゴチゴロウ、ゴチゴロ、シラゴチ、スゴチ、ゼニゴチ、ホンゴチ、ムギメ、ヨゴチ、などがあるようです。

中国名

中国では、コチのことを牛尾魚(ぎゅうびぎょ)または鞭子魚(べんしぎょ)といいますが、コチの体全体を牛の尻尾や鞭に見立てて、このように呼ばれているそうです。

養殖

マゴチは、いろいろな所で試験的に養殖されているようですが、本格的に養殖はされていないようです。

和食

美味しい季節

マゴチの美味しい季節は初夏から秋ですが、身のしまった白身魚で一年中美味しくいただける魚です。

栄養と味覚

マゴチは、低カロリー高たんぱくの食材と知られており、タンパク質、ビタミンB群、ビタミンD、ミネラルなどが豊富に含まれています。

味覚は、冬のフグ、夏のマゴチとい言われる程、お刺身が美味しい魚です。

美味しい刺身の食べ方

食べる直前に締めたマゴチは、死後硬直する前なので触感は良く味覚もいいですが、1~2日程寝かせると熟成されてさらに美味しくなります。

寝かせる時に昆布を利用する昆布締めは、美味しいマゴチの食べ方の一つです。

皮や胃袋(チュウ)などもかるく熱湯をくぐらせてから冷やし、刺身でいただくと美味しいです。

エラ付近のとげが鋭いので、刺身にする時は気を付ける必要があります。

刺身は、真夏のトラフグと言われるほど、美味しいです。

刺身以外の食べ方

マゴチは、刺身以外には、唐揚げ、潮汁、フライ、ムニエル、煮物、焼き物など、なんでも美味しくいただけます。

マゴチは、熱を通すと身が引き締まり、味が活性化するので美味しくなります。

その他の美味しい部位

肝、卵、白子、など、とても美味しくいただけます。

胸ビレや尾ビレは、干すとふぐのヒレ酒のようなマゴチのヒレ酒を作ることができます。

私も作ってみましたので、こちらの記事をご覧ください。

寄生虫

マゴチには、ヒラメと同様にクドア・セプテンプンクタータ(以降クドアと記載)やアニサキスと言う寄生虫が寄生している場合があります。]

クドアは、体長が10μmととても小さいので肉眼では確認することはできず、マゴチの筋肉内に寄生していますので、目視による発見は難しいです。

クドアを食べた後の症状は、嘔吐や下痢等がありますが症状は軽度で、発症後24時間以内に回復し後遺症もないとの事です。

アニサキスは、体長が2~3cmで肉眼で確認でき、マゴチの内臓に寄生しており、マゴチが死んだ後は内臓から筋肉に移動するそうです。

どちらもマイナス15℃から20℃で4時間以上の冷凍、または中心温度75℃で5分間以上の加熱で食中毒を防ぐことができると言われています。

ブランド

ヒラメと違って、ブランドのマゴチは日本には少ないようです。

釣り関連

リリース義務

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各都道府県によるリリース義務は無いようですが、JGFA(Japan Game Fish Association)では、体長40cm未満のマゴチはリリースが推奨されています。

更に、JGFAではバッグリミットという、魚の持ち帰り数を推奨しているようで、マゴチは3匹までを推奨しています。

水産資源の保護のために、協力したいと思います。

体長による呼び方

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マゴチは、60cm以上をマーゴンというかわいい愛称で呼ぶそうです。

私が仙南サーフで釣りあげた最大のマゴチは57cmで、残念ながらマーゴンには届きませんでした。

サーフでマゴチやヒラメを狙うアングラー

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サーフでマゴチやヒラメを狙うアングラーは日本全国にたくさんいますが、私が尊敬するアングラーは下記3人です。

堀田光哉氏は、静岡が拠点の誰もが認めるサーフヒラメやマゴチ釣りの第一人者です。動画でマゴチの釣り方を勉強させていただきました。

目黒毅久氏は、仙台を拠点とし全国を釣り歩くソルトプロアングラーです。仙南サーフで釣りをしている時に一度見かけましたが、丁寧な挨拶をしていただき素晴らしい方でした。Youtubeの動画ではいろいろと勉強させていただきました。

三浦弘希氏は、東北三浦イーグルスとして仙台を拠点とし、アングラーズマイスターとして活躍中です。仙台サーフで行われたCLEAN UP PROJECT 2023では、大変お世話になりました。

サーフで使うルアーや攻め方

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サーフで使うルアーは、シンキングペンシル、ジグヘッド+ワーム、メタルジグです。

マゴチは、ベイト(生き餌)を海底付近で捕食するような気がしますので、しっかり底まで落とすことが大事です。

基本的には、リフトアンドフォール、ただ巻き、ストップアンドゴーで狙うのがいいと思います。

ことわざ

コチの頭は嫁に食わせろ

姑が嫁いびりの為に、骨ばかりのコチの頭は嫁に与えろという意味があります。

しかし、コチの頬肉はコチの身で一番美味しい部位なので、姑が嫁に来てくれたことへの感謝の意とも取れるようで、どちらが正解なのでしょうかね?

コチは夫婦仲がいい

コチは、オスとメスの夫婦仲がとてもよく、いつも一緒に暮らしていると言われています。

コチが1匹釣れると、同じ場所には夫婦の相手がいる可能性が高いので、場所を移動せずに狙ってみるといいと言われています。

照りゴチ

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コチは、旬である真夏のカンカン照りで暑い時間帯でもガンガン釣れるコチを照りゴチと呼びます。

最後に

マゴチはまだまだ知られていない事がたくさんある魚ですが、仙南サーフではよく釣れる魚です。

たまにはこの記事を見直して、今後の釣りや食事にいかしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

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