釣れない時に読むヒラメの雑学

釣りあげたヒラメ 知識

仙南サーフでヒラメ釣りが大好きな筆者ですが、ヒラメのことをあまり知らなかったので、ヒラメにまつわることをいろいろと調べてみました。

この記事は、今後もヒラメの新しい情報を仕入れた際に随時更新しようと思います。

ヒラメの生態

産卵期

ヒラメは、沿岸の水温が下がってくると、産卵のために水深10~15mの浅場に接岸して産卵します。

産卵の時期は地域によって異なりますが、九州は1~3月、関東は3~6月、北海道は6~8月と言われています。

幼年期

幼年期は、比較的穏やかな内湾や入り江などで過ごします。

生まれたばかりのヒラメの目は両側についており、体長14cm前後で右目が左側に移動して、大人の姿になります。

生後1年以降

生まれてから1年で体長が30cm前後に成長し、内湾や入り江に生息していたヒラメは、水深200mの沖合まで移動するようになります。

一年を通して、サーフで40cm未満のソゲが釣れるのは、こういう事だったのですね。

成長速度

ヒラメは、1年で体長が30cm、2年で40cm、3年で50cm、4年で60cm、5年で70cm程度と言われており、1年間で10cm程度も成長するようです。

80cmを超える個体は、理由は不明ですが、ほとんどがメスだと言われており、ほとんどのオスは60cmまでしか成長しないとも言われています。

ヒラメは、体長が最大で1m、重量は10kg以上にもなり、岸から釣れた日本記録は103.9cmのようですが、107cm(14.5kg)という記録もあるようで、どれが日本記録はよくわかりませんでした。

非公式には、鹿児島の堤防で120cmのヒラメを釣った方もいるようです。

寿命

ヒラメの寿命は数年と推定している人もいれば、10~20年程度という人もいます。

オスは比較的短命で10年、メスは長寿で20年と言われているようですので、人間と同じように女性が強いようです。

生息エリア

日本では、全国的に分布しており、世界では、太平洋、インド洋、大西洋に生息しています。

食べ物

幼年期は雑食で、生後1年以降は主に生きた小魚やイカなどを食べます。

天敵

幼年期は、カニが天敵です。

Yahoo!知恵袋で「ヒラメに天敵はいるのでしょうか?」という質問に、「堀田光哉」と回答した人がベストアンサーになっていましたが、回答した人もベストアンサーに選んだ質問者もさすがです。

天然か養殖の見分け方

ヒラメのお腹が真っ白なのは天然、黒っぽい斑点があると養殖です。

養殖はパンダヒラメとも呼ばれ、強いストレスによって黒っぽい斑点が現れると言われています。

たまにサーフでパンダヒラメが釣れることがありますが、幼年期は養殖で育てられた後に海に放流されたヒラメのようです。

行動パターン

季節単位では、春は産卵のため浅場に接岸し、夏は深場に移動し、秋は冬前に荒食いするために接岸し、冬は浅場と深場にいるものに分かれます。

一日単位では、夜は浅場に移動してベイトを捕食し、昼は一部は浅場に残りますが、ほとんどは深場へと移動します。

この行動パターンを見ると、サーフからルアーでヒラメを狙う際は、秋から冬の季節で、朝マズメか夕マズメがいいようですね。

体の色

ヒラメは体の色を変化させることができる魚で、外敵やベイトから身を隠す性質があります。

砂地にいるヒラメは白っぽい色に変化し、磯にいるヒラメは濃い茶色に変化しています。

黄金のヒラメもいるようですが、何故黄金に変化するのか理由はわかっていないそうです。

雑学

ヒラメが県魚の都道府県

ヒラメが県魚かどうかあいまいな都道府県を除き、確実に県魚として制定していた都道府県は3件ありました。

1987年に青森県が制定し、次いで1990年に鳥取県、1995年に茨城県でした。

ヒラメの漁獲量

2021年のヒラメの漁獲量を調べたところ、全国では、5,790tでした。

県別にトップ3を見てみると、北海道は818t、青森県は760t、福島県は596tで、このトップ3で全国の38%の漁獲量でした。

出典:地域の入れ物

カレイとの見分け方

頭を上、腹を下にして左向きがヒラメ、右向きがカレイで、左ヒラメに右カレイと言われています。

海外では、右向きのヒラメも存在するようです。

向き以外に見分ける方法として、大口ヒラメの小口カレイとも言われており、生きた小魚を食べるヒラメは口が大きく、ゴカイやイソメなどの虫や小エビや小魚を食べるカレイは口がおちょぼ口で小さいからだそうです。

浮袋が無い

ほどんどの魚には浮袋があり浮力を調整していますが、ヒラメは、マグロやサメと同様に浮袋がありません。

浮袋がないので、水深5m程度から一気に100m以上も潜ることが可能であり、潜水能力がとても高い魚です。

学名と分類

学名は、Paralichthys olivaceusであり、分類は、顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属です。

分類は、とても長くて難しい漢字ばかりなので、残念ながら読めません。

ヒラメ科に属する仲間

ヒラメ科に属する仲間は、ガンゾウビラメ、タマガンゾウビラメ、テンジクガレイ、メガレイなどで、世界的には80種類が知られています。

ヒラメとカレイを分けているのは日本だけ?

海外では、ヒラメとカレイを区別せず、flounder(フラウンダー)またはflatfish(フラットフィッシュ)と呼んでいる所が多いそうです。

もし、英語でヒラメとカレイを区別したいなら、ヒラメはleft-eyed flounder、カレイright-eyed flounderで、理解してもらえるかもしれませんね。

名前の由来

ヒラメの名前の由来は二つの説が有力で、一つ目は平たい体に目が二つ並んでいる様子から平目という説と、二つ目は片方に目が並んでいることから比目魚(ヒモクギョ)と呼ばれていたのが転じたという説だそうです。

ヒラメの漢字は、平べったいので、「鮃」や「平目」と書きます。

養殖

カレイよりも成長が早いヒラメは、全国で養殖されており、1年で約30cmに成長し出荷されます。

後述しますが、養殖されているヒラメには、ブランドヒラメもあるようです。

平目という苗字

日本には、「平目」という苗字の方は約190人程いるようです。

圧倒的に北海道に住んでおり、約74%の140人程います。

和食

白身魚の王様と呼ばれている高級魚のヒラメは、和食がとてもよく似合います。

美味しい季節

ヒラメの美味しい季節は、産卵前にたくさんベイト(生きた小魚)を捕食し栄養をたくさん蓄えた10月~2月の秋から冬の間です。

産卵を終えて味が落ちる3月~9月は、ヒラメを仕込まない寿司屋が多いと聞きます。

えんがわ

えんがわは、ヒラメが移動するときによく使う、背ビレと腹ビレを動かす筋肉のことで、正式な名称は、担鰭骨 (たんきこつ)と言います。

筋肉なのに名称が骨の理由は、よくわかりません。

えんがわと呼ばれるようになったのは、筋肉の形が家の縁側に似ていることが有力な説のようです。

えんがわは、背ビレと腹ビレの骨を動かす柱状の筋肉なので、背ビレから2本、腹ビレから2本で、ヒラメ1枚からは合計4本のえんがわしか取れません。

えんがわ(縁側)は、コリコリとした歯触りと下の中でとろける食感が、多くの日本人に好まれています。

お寿司屋さんでは、ヒラメのえんがわを使用していますが、回転ずしなどではコストが合わないため、カラスガレイやオヒョウなど大型に成長するカレイのエンガワを使用しています。

栄養と味覚

ヒラメは、高タンパクで低脂質な白身魚で、ナイアシンやカリウムも豊富に含んでおり、タンパク質は、成分全体の20%を占めると言われています。

味覚は、イノシン酸が多いため、白身でも味にコクがあります。

美味しい刺身の食べ方

食べる直前に締めたヒラメは、死後硬直する前なので触感はいいですが、うまみが少し足りないようです。

ヒラメを締めてから1~2日寝かせることによって、白身が酵素で熟成されて柔らかくなり美味しくなります。

寝かせる時に昆布を利用する昆布締めは、美味しいヒラメの食べ方の一つです。

刺身以外の食べ方

ヒラメは、刺身以外には、唐揚げ、潮汁、フライ、ムニエル、煮物、焼き物など、なんでも美味しくいただけます。

ヒラメは、熱を通しても硬く締まることがなく、小骨がなく食べやすいのが特徴です。

白身と縁側以外の美味しい部位

肝、真子(卵巣)、白子(精巣)、胃袋など、新鮮であればとても美味しくいただけます。

寄生虫

ヒラメには、クドア・セプテンプンクタータ(以降クドアと記載)やアニサキスと言う寄生虫が寄生している場合があります。

クドアは、体長が10μmととても小さいので肉眼では確認することはできず、ヒラメの筋肉内に寄生していますので、目視による発見は難しいです。

クドアを食べた後の症状は、嘔吐や下痢等がありますが症状は軽度で、発症後24時間以内に回復し後遺症もないとの事です。

アニサキスは、体長が2~3cmで肉眼で確認でき、ヒラメの内臓に寄生しており、ヒラメが死んだ後は内臓から筋肉に移動するそうです。

どちらもマイナス15℃から20℃で4時間以上の冷凍、または中心温度75℃で5分間以上の加熱で食中毒を防ぐことができると言われています。

ブランド

日本は島国で海に囲まれていますので、いろいろな地域で天然のヒラメや養殖のヒラメをブランドとして売り出しています。

ブランドヒラメを調べてみたら、全部で11のブランドがありました。

青森の青天ひらめ、福島と茨城の常磐もの、新潟の白皇鮃、福井の八百姫ひらめ、静岡の伸東ひらめ、三重の伊勢ひらめ、鳥取の白雪ヒラメ、山口の笠戸ひらめ、愛媛の横綱ひらめ、長崎の平戸ひらめおがみ、大分のかぼすヒラメです。

釣り関連

リリース義務

リリース義務は、各都道府県によって異なりますが、30~40cm未満のヒラメはリリース義務を制定しているところが多いです。

私が住んでいる宮城県のヒラメのリリース義務を調べてみた所、気仙沼~南三陸は全長30cm未満、石巻~山元は全長35cm未満が、ヒラメの漁獲禁止という事でした。

出典:宮城県の釣りに関係するルール

JGFA(Japan Game Fish Association)では、体長40cm未満のヒラメ(ソゲ)はリリースが推奨されています。

更に、JGFAではバッグリミットという、魚の持ち帰り数を推奨しているようで、ヒラメは2匹までを推奨しています。

体長による呼び方

ヒラメは、体長によって呼び方があります。

40cm未満はソゲ、40~60cm未満はヒラメ、60~70cm未満は小座布団、70~90cm未満は座布団、90cm以上は大座布団と呼びます。

小座布団は2枚ほど釣りあげたことがありますが、座布団はまだですので、ぜひ狙っていきたいです。

サーフでヒラメを狙うアングラー

サーフでヒラメを狙うアングラーは日本全国にたくさんいますが、私が尊敬するアングラーは下記3人です。

堀田光哉氏は、静岡が拠点の誰もが認めるサーフヒラメ釣りの第一人者です。動画でヒラメの釣り方を勉強させていただきました。

目黒毅久氏は、仙台を拠点とし全国を釣り歩くソルトプロアングラーです。仙南サーフで釣りをしている時に一度見かけましたが、丁寧な挨拶をしていただき素晴らしい方でした。Youtubeの動画ではいろいろと勉強させていただきました。

三浦弘希氏は、東北三浦イーグルスとして仙台を拠点とし、アングラーズマイスターとして活躍中です。2023年5月に仙台サーフで行われたCLEAN UP PROJECT 2023では、大変お世話になりました。

サーフで使うルアー

サーフで使うルアーは、ミノー、シンキングペンシル、ジグヘッド+ワーム、メタルジグです。

朝一番では上層部をミノーで狙い、状況に応じてその他を使うのが良いとされていますが、私はジグヘッド+ワームとメタルジグを使うことがが多いです。

ことわざ

3月ヒラメは犬(猫)も食わぬ

産卵期を終えたヒラメは、犬や猫も食べないほど食べても美味しくないという意味です。

夏のヒラメは猫またぎという言葉もあるようです。

同じ意味で、「知恵のなさ四月鮃の刺身なり」という川柳もあります。

親を睨むと鮃になる

親を睨むとバチが当たり鮃のように目が片寄ってしまうという意味があります。

また、親を睨むとヒラメになるので、親は大切にしようという意味もあります。

鯛も鮃も食うた者が知る

実際に経験せずに人の話や書物で得た知識や情報だけでは、真の理解や知識を得ることはできないと言うことです。

ヒラメ人間

裏表のある人間のことを言い、特に、出世を気にして常に上の機嫌を伺う人間という意味があります。

ヒラメ人間にはなりたくないですね。

ヒラメ40コチ20

ヒラメやコチを生き餌釣りで狙う時、あたりが出てからフッキングまでの待ち時間を覚えるためのことわざで、単位は秒です。

同じような意味で、「ヒラメはタバコを一服つけてから」や「鈍い奴ほどヒラメが釣れる」ということわざもあります。

ヒラメ関東、カレイ関西

昔、関東ではヒラメを好み、関西ではカレイを好んでよく食べたことから言われているそうです。

関東では、ヒラメはタイよりも人気があり、昔からよく食べられていたそうです。

最後に

ヒラメの記事を書いていたら、サーフに行きたくなりましたが、今はまだ9月なので本格的なヒラメのシーズンはもう少し先です。

ヒラメの生態などを改めて知ったので、今後の釣りにいかしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました